好奇心の足跡

飽きっぽくすぐ他のことをしてしまうので、忘れないため・形にして頭に残すための備忘録。

とある母の24時間CTF参加記録と、競技との付き合い方の考察

先日、24時間開催のCTFに割としっかり参加できたのと、「どうやって(時間的な意味で)参加してるの?」と何度か聞かれたことがあったので、記録として書いてみた。
あと、「誰かと競争するやつはつらい」「子育てしながらだと他者との対戦では勝てなくなる」的な話をちょうど見たので、それについても最近結構考えることがあり。個人的な競技との付き合い方もちょっと見えてきたところを書いておこうと思った。

この記録は、2020年12月3の21:30 - 12月4日21:30 で行われていた Shakti CTF 2020 に1歳4歳母が参加したときの大まかなタイムラインです。大会ごとに状況は大きく代わるので、あくまで一例。3~4時間しか参加できないとかもザラ。
今回はかなり時間が取れたほうで、色々運が良かった🙌。

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※全国・全世界の幼児持ちの親が同じような時間の使い方が出来る・これだけしか時間が使えない、なんてことが言いたいわけでは全然ありません。家事・育児の分担や子供の年齢、構成、性格、体質(昼寝しないなど)、祖父母世代のヘルプ有無、子供との時間の過ごし方のポリシーなどなど×100、色んな要素の上にそれぞれの時間の使い方があると思います!

Given Condition

家族構成・環境

* 夫・自分・4歳娘・1歳半娘
* 祖父母は新幹線の距離
* 夫 → 家事育児何でも来い。平日は割とブラックな働き方なので休日は寝溜めしがち。
* 4歳娘 → みてみて、いっしょにやろー星人。基本的に一人遊びはしない。お昼寝は成功すれば2時間ほど
* 1歳半娘 → だっこだっこ星人。一人遊びもビデオ鑑賞もイケるクチ

大会条件

* 24時間開催、日本の21:30(金)-21:30(土)
* チームは4人まで、自分はソロ参加
* 一応女性限定(women-only)という珍しい大会

CTF以外の予定

* 土曜の午前中に長女の保育園イベント(夫のみ参加予定,1時間)
  * コロナの影響で保護者は一人しか参加できず。次女のときに私が参加したので、もともと夫が行く予定でした。これはチャンス!
* 大掃除(日曜に来客のため、半年以上ぶりに大片付け)
* 食料品買い出し

タイムライン

* 21:30: 競技開始、こちらはお風呂からの絵本からの寝かしつけの真っ最中
* 22:30 ~  3:30 -> 🚩参戦!深夜の頑張り
*  3:30 ~  7:00 -> ねる
*  7:00 ~  9:00 -> 朝ごはん・洗濯・保育園準備・子供の歯磨き着替えetc...
*  9:00 ~ 11:00 -> 🚩with 次女 (長女と夫が保育園、次女は抱っこされながらビデオ鑑賞)
* 11:00 ~ 13:30 -> 長女のワーク付き合い(夫と次女は買い出し)・お昼ごはん・昼寝の寝かしつけ 
* 13:30 ~ 15:30 -> 🚩奇跡の長時間×2人同時昼寝(夫も寝てたから3人か)
* 15:30 ~ 18:00 -> おやつタイム・長女外遊び・片付け&大掃除
* 18:00 ~ 20:30 -> 夕飯準備・洗濯取り込み・夕飯 
* 20:30 ~ 21:30 -> 🚩夕食後のお風呂どきを夫に任せて最後の参戦

合計約10時間参加(うち2時間は次女を膝に乗せながら)

もしCTFなければシーツの洗濯・布団を干す・日用品の買い出し、とか大きな公園や動物園にお出かけしたかったかな。

めっちゃ夫に家事育児お願いしているし、子供と向き合う時間を削ったり「家事は明日に回せー!」になってしまっているので、2ヶ月に一回くらいが個人的には限界かなーと思っております。

競技との付き合い方所感

最近は、難易度がそんなに高くなく、開催期間が予定とそこそこマッチしてて、前回の大会とそこそこ期間が空いてて、できれば基本ソロ参加の大会を中心に出ています。
この前開催された waniCTF は、難易度・ソロ参加・開催期間がそこそこ長め(家族でお出かけとかしても参加する時間がある)という個人的に嬉しいポイントづくしで良かった!大会の難易度や問題数は参加してみないとわからないこともあるので、自分が参加しやすくて楽しいCTFに出会うととても嬉しい😊

今回のShaktiCTFの配点・難易度だと、100点問題くらいまでは細切れ時間でいけるけど、200点以上の問題になってくると時間をかけてじっくり取り組みたい感じ。となると、集中して長時間取り組める時間がそもそも確保しづらく、結局いつも難しい問題は眺めて終わってしまう。
最近では、「あ、この問題あれだ!この前やったぞ!…方針は思いついたけど時間がかかるからやめとくか…」みたいなのがちょいちょいあって、割と歯痒い思いをしている。実力より少し難しい問題にじっくり取り組んで、競技中に調べたり試行錯誤する時間が成長につながる気がするので、この状態で大会に出る意味はあるのか?と思ったりもする。

私はCTFと出会ったのが第一子妊娠中だったので、それより前の自分のために使える時間が今よりめちゃめちゃあったはずの期間に出会っていればとか、誰にも気兼ねなく没頭して取り組めれば、と思うこともある。仕事を始めても、結婚しても、そんなに自分の時間は変わらなかったけど、子供の有無はめちゃめちゃ大きい。更にいうと、個人的には生まれたて〜1歳より、それから現在のほうが俄然子供と関わる時間の割合が増えている。
もちろん、言うまでもなく子供達は鬼かわいいし、すぐに大きくなってしまうと思うと「いま子供と向き合わずにいつ向き合うのじゃ」と心の仙人がアドバイスしてくる。

「いまはそういう時期」「子どもにべったり関わる人生のフェーズ」と、人生の諸先輩方からアドバイスいただく事が多い一方で、「自分の時間を殺さないで」「好きなものを見失わないで」というアドバイスもちょくちょく目にする。もともと色々やってないと気がすまないタチなので、自分でも欲張りだと思うけど、子供とめいっぱい向き合いたいし、自分のための時間も欲しいんだよね1

CTFをやるメリットはとても感じていて、自分の仕事に絡むCSとかセキュリティあたりの知識が身につくのと、実務でなかなかできていないコードを書く(綺麗ではないけど)時間が作れる。
実務にもちょっぴり役に立つし、自己肯定感も高まるし、なにより謎解きは楽しいし、やっぱり良いことは良い。時間取れないしやめちゃうか、というには惜しいのである。

私の中での現在の最適解は、とりあえずレベルとタイミングが合いそうな大会に無理のない範囲で出てみて、「しっかり復習する」がよさそう。ブログに復習記事をアップするのも、自分で理解したと言えるレベルまで持ってこないと記事かけないので、「理解した気になった」状態で終わるのを防げるからというのが大きい。難しい問題でも期日なくじっくり取り組むと、数日・数週間かければなんとか理解できる・実践できる状態にはなる。こうやって時間をかけて取り組んだ問題は、次のCTFに出たときに「取り組める問題」に昇格する。

まぁ牛歩ではあるし、実際の大会に出て上位に食い込もうとか考えると、生活を代償に取り組んだり複数人でチームを組んだりしているところには全然かなわない2ので、細々続けていって基礎を固めていこう、という気持ち。自分用CTFwikiを作ってみたところ、細々続けてきた結果、浅いながら結構広範囲に渡ってカバーできてきたので、それも悪くないなと思ってきた。

ということで、CTFは参加時間が短くなってしまってもいいので数ヶ月に一度くらいは参加して、しっかり競技中にできなかったことを悔しさをバネに復習していくスタイルが良さそう。なにもイベントがなく自分で学習だけだとダレちゃうし、成長もなかなか感じにくいので。

最後に、この記事を書くきっかけになったつぶやきスレッド。


  1. 他にも趣味は結構あるんだけど、どうにも時間を作りにくいもの・子育てと相性が悪いものはお休みしている。オーケストラとかゲームとか。オーケストラに関しては子どもが楽器を始めたので、自分も同じ楽器を始めてみるなどして代用を試みているところ。

  2. 自分が競技に費やせる時間が増えたら上位に組み込めるかというと、全然そんなことはない。手も足も出ない問題はまだまだ多い。ただし、「やりきった」感はありそう。